昨年から現在まで、多数の著名な人びととお別れしてきました。新聞の記事やテレビで訃報を伝えられた先輩(先生)、同輩、後輩諸氏です。記事は著名な人びとが寄稿されているので、私が記すことは無いでしょう。教えていただいたことや、一緒に仕事をさせていただいと重みが心の底に残っていて決して消えないでいます。
 痛手の一つは、私の一番優れているところを褒めてくださり、それが音楽や文化事業で生かす力になっていた証言の多くが、失われたことでした。亡くなられてから「〇〇先生が私をこう評価して下さっていた」と言っても証拠は無いし、故人を利用した売名行為のように思われるかも知れないので、全て封印しなければならなくなってしまいました。
 唯一の証拠は、拙作の著書に寄稿して下さった故・三善 晃先生の私への文書だけが残っています。

 ひとりの人の生きる道には、天国からそのひとを含む望ましい世界の実現に天使を送り込んでくれている、と記された本を幾つか読んだことがあった。しかし自分の至らなさから無駄にしてしまったことの方が多かったようです。
 そこへこの7月に義弟を亡くしました。長生きをすることは、沢山の人びととの出会いと別れがあるということですが、見送ることは何時も辛いものがあります。