新年度になって、 NPO日本現代音楽協会では「現代音楽教育プログラム研究会」の部長に坪能克裕を再度任命した。

 同研究会は90年代の学校や社会での「音楽づくり」などのワークショップを多数実践し、2001年に坪能が同団体を設立して多くの企画を制作、学校や文化施設で活動を続けてきた。

 次世代の現音会員が代わる代わる部長として登板し、日本の音楽界でも異色なチームとして注目を集めてきたが、これからの時代に作曲家が果たす役割も大きくなり、隠居を願っていた年寄りの微力を再度使うように依頼されたカタチだ。坪能にとっては同会の要職を全て経験し、現在の理事・名誉会員で十分なのだがSDGsの時代、学校から社会へとつながった文化芸術の育成にも努力するよう、その希望を託されたことになった。

 文化芸術では、(公社)全国公立文化施設協会の「文化事業」などのアドバイザーにも再任されている。優れた劇場・音楽堂が多くなった現在、年寄りの出番は少なくなったはずだが、ここでも SDGsの時代に施設の人びとと一緒に考える時間や環境をいただいたことになった。

 その他、音楽財団の助成事業審査など、全国を訪ねて歩くことは今年も減らないだろう。他人の資料を読むだけでなく、自分の耳目から直接触れないと文化芸術は納得・評価できないからだ。

 教職は全て卒業してホッとしていたのに、作曲と文化事業は微力ながらも継続していくことになった。