自作原譜で不要なものと、音楽の資料・図書などを整理し始めた。
これがなかなか捗らない。音楽の資料のうち、私が関係する音楽会や自作の一般発売された本やレコード、原稿など、どれも苦労が詰まっていて、つい手が止まってしまうからだ。凄い数の著書にもなったが、全て「過去のもの」なのだと思った。大切な資料は誰かが何処かで残しておいてくれるかも知れない、と思いつつ紐で縛っていった。
楽譜がこれまた凄い量になっていた。 NHK-TVや映画の劇音楽から、アニメ、子どもの歌、合唱、オーケストラ、電子音楽などの図形楽譜まで、部屋一杯に高く積み上げることが出来た。作品によっては“お宝”として値が付けられるようなこともあるだろうが、一回使ったママの音楽は二束三文だと思っている。これも捨てることにした。
全国の公立文化施設と創りあった資料の数々は、その当時の努力の成果でもあり、捨てがたいものがあった。しかし文化事業は世の動向と同じで、数年前の資料は古くなっていて、個人の勝手な思い出アルバムでしか無いものだと思う。この資料も積み上げると背丈より高くなってしまう。資源ゴミとしても多量だ。感傷に浸っているほど文化事業はゆったりとした時間を過ごしているわけでは無い。生きている企画・制作は凄いスピードで過去のものにされて行く。いつの時代も、生まれてくる、生きている文化事業が一番素敵なのだと思っている。