習うより慣れよ、と普通はいわれてきた。「ママごと」のように、見よう見まねから個性が目を出してきた。何事でもヘタなりの楽しみがあり、その道の名人の凄さを知り、憧れも生まれ、練習や努力から様ざまな「発見」が生まれ、自分で「考え」ながら本格的な勉強(習うこと)に入るのは、音楽に限らず全ての道に通じている。
 現代では、どの道(専門)でも技術など洗練されたシステムが用意されている。そして学ぶひとも早く体得したいから、他人より上手くなりたいから(?)慣れる前から習うことが選べるようになっている。

 ゴルフのコースに良く連れて行ってもらった時期が私にもあった。教えてくれる仲間もいたが、技術より仲間に迷惑をかけない程度のエチケットを旨に遊んでいた。それを見ていたワイフが「一度私もやってみたい」というので、練習場へ連れて行った。初めてだとクラブにボールが当たるのも難しいモノだ。
 空振りしても(経験だから・楽しいのが)「いいじゃない!」と褒めていた。そのうちにワイフに知らないオジさんが近付いてきて耳打ちをした。「あのひとに教わっていちゃゴルフは上手くならないよ」だって。