クラシック音楽界全体にもいえるが、音楽団体の環境も、技術・実力など数年前と随分変わって来ている。ここではアマチュア音楽団体に限って話すが、10年前と、いや3年前とも変わって来ている。「昔はこの団体はヘタだった」という評は一気に偏見に変わってしまう。指導者も勉強しているし、プロのトレーナーの参加もあって、またそれらの環境を整える資金も集める努力があると、見間違えるほどの成果を上げる団体になっていたりする。

 私は可能な限り毎年全国何処にでも出かけて行って聴くことにしている。噂や他の人の耳目を信用するのではなく、常に進化する団体の表現は、自分の耳で確認するのが一番だからだ。それは財団の助成金審査などでの判断には必要なことでもあるのだ。団体の現状を知らないで「いいと思うよ」って無責任だと思うからだ。

 11月末、ハーモニカ・アンサンブルを聞きに佐賀県まで行った。
 実は、私はハーモニカのアンサンブルは学校で子どもたちが吹く音楽以外知らなかったのだ。いま生まれている音楽を、私の耳でも評価させていただきたかったからだ・・・ 低音から高音まで生かされた楽器群が、編曲の腕で対旋律も豊かに、オシャレな表現をされていた。もちろん発展途上で、アンサンブルにはまだまだ新しい表現の可能性が残されているようだが、高齢者まで楽しんでいる音楽を聴くと未来が明るく輝いてくるようだった。